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喫茶店のある風景

気づけば5月ももう終わり、時の流れは日々刻々早まっていく気がします。

おはこんばんちは、広報です。


先日、ずいぶん前にリクエストしていたコミックが入荷したと知らせがあり、ひさしぶりに手に取りました。

寄生獣」が社会現象にまでなった岩明均が、その連載開始前年まで執筆していた作品「風子のいる店」。

吃音症で対人コミュニケーションの苦手な女子高生・風子が喫茶ロドスでアルバイトをする日々、さまざまな事情を抱えた人々に出会い、できごとに巻き込まれながら成長する姿を描いた佳作です。


懐かしんでいたところ、巻末を見たらこのお話、連載開始が1985年初夏、終了が1988年初夏になっているんですね。

掲載時期の時間軸に沿って、高校生の風子がロドスでアルバイトを始め、大学生になりロドスを辞めるまでが描かれているので…おお!風子タメじゃん!と三十余年を経て今、気づいたのでした(笑。


同じ時に高校生活を過ごした子のお話と思って読み返すと、悩みながら成長してゆくその心情だけでなく、描かれる当時の街の情景も実感を伴って、また味わい深いものがあります。

そんなわけで広報、いまではだいぶ少なくなってしまった「喫茶店」という存在について思いを馳せるに至ったと。


皆さんは放課後、喫茶店に立ち寄ることがありましたか?

当時のぼくらはバイトではなく(あのころ伊那北ってバイト禁止でしたっけ?いまはそうですけど)、足繁く喫茶店に通っているほうでしたねえ…。

ラグビー部や生徒会周辺の伊那高アングラ集団は連日、入舟の踏切近くにあった砂時計に入り浸っていました。

なにをして過ごすでもなく、ちょっとなにか注文して、ただグダグダと話をして、漫画を読んで、頃合いで解散。

広報は週イチでドラゴンボールの連載を確かめ、それ以外はだいたいあぶさんを読んで過ごしていたような記憶が(勉強は?)。

だいたい飲みものを注文して、懐具合がいいときはフロートにしたりなんかして、さらにはときどき奮発してエビピラフを頼んで(笑。

冷食だってわかっていたけれど、美味しかったなあ。


のちにおとなになって知ることですが、ただでさえ決してガラのよろしくない高校生たちの入り浸る喫茶店は、客単価が低いうえにほかのお客さんが寄り付かなくなるのでそのぶん経営が圧迫されるんですよね…なんだかほんとうにご迷惑をおかけしました💦


ペン祭や卒業式のような一大イベントのあと大勢で集まるときは、西町の伊那バスターミナル裏通りにあった大使館で夜通し大騒ぎしましたっけ。

えーと、詳しく書くことは控えますけれど(苦笑、楽しかったです。青春の一ページ。


いまはもう、あのころのお店はほとんどなくなってしまいました。

心の中にだけある風景。けれどもその佇まいはあの頃のまま、ずっと残っています。


ほかにも何件か行ったことのあるお店があった気がしますけれど、なかなか思い出せません。

皆さんの思い出のお店があったら教えてください。

いまの伊那高生は、なにかあるとガストに集うようです。まあ、時代ですね。


 

余談。吃音症の女の子が主人公のコミックといえば、これまた広報の大好きな押見修造が自身の経験をもとに描いた短編「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」があります。


ほろ苦くて、うまくいかなくて、行き場のない爆発寸前の感情がすれ違い混じりあう青春。傑作です。


知らないうちに実写映画化されてたりして、いずれ観たいなあと思っているのですが、まずはコミック、おすすめです。





 

喫茶店といえば「♪夕暮れの街角 のぞいた喫茶店」とか「♪紅茶のおいしい喫茶店」とか歌の題材にも事欠きませんね。

広報が思い出すのは、寺尾聰の「ルビーの指環」。

松本隆の詞が描きだす喫茶店の風景が好きだなあ…ということで、変化球でこんな歌。

安部恭弘「CAFE FLAMINGO」(1983)



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